事業展開における一貫した哲学について

サイバーエージェントグループの新規事業を考える機会が増えてきました。様々な事業を調査や思考する過程で、事業展開において、その会社の一貫した哲学があると感じる事が多くなりました。

例えば、リクルートさんの事業において一貫している哲学は、「世の中の負を解決する。」です。就職する際の企業情報を集めるのが難しいという負、飲食店や美容院などお店を探すのが手間だという負などユーザー側が抱えている負、最適な学生に就職情報を届けられない、近隣の人にお店の情報を適切に提供できないという負など世の中に存在していた負を事業を通じて、解決するという一貫した哲学があります。実際リクルートさんの社員の方々と話すと、自分たちの事業は、このような負を解決しているであったり、新規事業を考えられている方もこういう負が存在しているから、事業でこのように解決したいのような事を仰っていた事を実際に目にした事もあります。

カカクコムさんは、「ユーザーに役に立つコンテンツを供給する」です。価格.comの始まりは、電気街で販売している家電品の価格情報を知りたいユーザーに価格情報を提供する個人サイトです。リクルートさんのサイトは、リボン型と言われるように、店舗側・会社側とユーザー側の仲介をサービスで行っていくという考え方で双方の負を解決していますが、食べログなどのサイトでは店舗側より、ユーザー側により重きをおいて展開が始まったサービスです。カカクコムさんのサービスを見ると、既に他社が提供しているドメインのサービスを徹底的にユーザー側に立ち提供をしていくというものが多いと感じます。

DeNAさんは、「変化を起こす」ではないかと考えます。従来PCのオークションが主流だった際に、モバイル端末でオークションサービスを展開するという進化。当時imodeなどキャリアが提供する公式サイトで月額課金サービスを提供するというのが主流だった際に、勝手サイトで都度課金サービスを提供するという変化。直近ですと、病院でしか遺伝子検査がしにくいという状況に、ネットで簡単に出来るようにする変化を起こそうとされていたり、自動車業界においても変化を起こそうとされています。DeNAさんを見ていると、変化をするとより便利になったり、楽しくなったりする部分も見つけられて事業を展開されている事が多いです。

GMOインターネットさんは 、「裏方から支える」だと思います。ドメインや、サーバー、SSLなどインターネットサービスを運営する際に必須になる部分を全て提供されています。事業においても、コンテンツを提供する側より、コンテンツを提供する会社さんを裏方から支える形の事業一貫して提供されている印象を受けます。GMOインターネットグループのGMOペパボさんが注力されているminneのように、ハンドメイドで何かしらを製作されているクリエイターを裏方から支えるサービスも提供されています。このように、法人から個人まで、様々な人々を支えるというのがGMOインターネットさんの哲学だと思います。

私が属するサイバーエージェントグループで事業展開における一貫した哲学は何でしょうか。事業分野としては、インターネット広告代理事業、メディア事業、ゲーム事業、投資育成事業など業界の中でも幅広く展開をしています。広告では顧客の問題を解決する一方で、ゲームではユーザーを楽しませるなど、一貫した哲学は中々見えにくくなっています。
個人的な考えとしては、サイバーエージェントグループの哲学は、「目の前の人を喜ばせて、自らも喜ぶ。」だと感じます。サイバーエージェントグループにいると、どのような事業でも、とにかく頑張り、また頑張っている過程まで楽しむという印象を強く受けます。広告代理事業では、目の前の顧客を広告効果で喜ばせて、それにより自らも喜ぶ。ゲームやメディア事業においても、同様に画面の先にいるユーザーを喜ばせて、その結果により自らも喜ぶ。事業自体は、問題解決型でもエンタメでも問題はなく、目の前の人が喜ぶ事業であれば、自らも喜んで頑張れるというのが事業展開における哲学という私見です。

事業展開において一貫した哲学があると、哲学自体が一人歩きし文化形成がされるという側面があると感じます。社長がこのような会社であるべきだと口酸っぱく言わずとも、社員の面々は事業を行っていく中で、その哲学を浴び会社全体が哲学に従った性格を帯びていきます。 事業展開を行うのは人であり、その事業の成功確率が高くするには、哲学に沿った展開を出来ているかどうかというのもポイントに感じる事が多いです。私自身も、新規事業を考える上で、事業展開における哲学というのを意識して、考えていきたいと思います。

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